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POSTED Saturday, June 4, 2022 20:49

Mimic me!

けっこう更新が空いてしまった。。予想していた通り、日本に帰ってくるとやることがたくさんあって、ロスにいたときほどにはアルバムの制作に没頭できず、個人的に若干煮え切らない日々を過ごしていたものの、どうやらやっとモーターのコイルが暖まって来た感じがする。


帰国後は俺の作業部屋に4人でなるべく毎日集まって、デモトラックのパートをみんなのアイデアで少しずつ上書きしている。ワンコーラスに対しては8割がた終わったので、そろそろ展開をつけて、曲によっては歌詞を書き始めたいところ。


ロサンゼルスで毎日を共に過ごした最愛の曲たちが、どんどんみんなのものになっていく寂しさ(何を言ってるんだ笑、ってのは自分でも思います)はようやく乗り越えられて、俺以外の価値観と混ざりあって、無限にカッコよくなっていってくれ。ここからがバンドの醍醐味だ。


たった3ヶ月の旅で人生なんて変わらねえ。この魔法もいつもの日常に戻ればすぐに消えちまうんだろ。なんて風に思ってたんだけど、どうやらそうでもないらしい。純粋な赤いインクに一滴の青を垂らすと、それはもはや紫で、元の赤に戻す手段はないように、永久に変容してしまった可能性も全否定できない。まあよく考えたら、変えたい変えたいと何十年も願っていても叶わなかったことが、ものの5秒で永久に変わっちまうなんて、わりとよくある話なのかもな。


今は文字に向き合うとやたらとこういうスイッチになってしまうので、アメリカで見た面白かったものをひとつご紹介。


(遠くから見ても、、うーん、、あれってどう見ても木じゃねえよなあ。。)

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(擬態。これは明らかに擬態だろ。宇宙人が木に化けてるって言われても一瞬信じるぞ。。)

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(近くで見ると配線だらけ。。)

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正体は5GやWifiなど、コミュニティ内のデータ送信網。よく見るといきなり森のなかに立ってたりする。南カリフォルニアしか知らないので全土的にそうなのかは分からないけど、東京よりはるかにIoTが進んでいる印象でした。蹴れば簡単に破れる建て付けのドアの脇に、全部屋の温度を一元的に調整管理するガジェット(UIは言語ではなく絵で直感的!)がついてたりする。気にするとことしないとこ、全然ちゃうなあ~って感じて面白かった。まあそりゃ簡単には抜けんわな、て感じで今日はおしまい。:-)

POSTED Tuesday, May 10, 2022 15:35

Only pure white ash remains.

ロスへの旅が終わった。

自分以外の誰かからすれば「何を大袈裟な」って思われるのを承知の上で言うと、この3ヶ月は新しい冒険への出発だっただけではなく、同時に自分の過去への旅でもあり、大好きだった音楽との再会であり、なにより与えられた時間を必死に生きることの楽しさを知れた人生最高の旅だった。

間違いなくロスの太陽に本気の恋をしまったのだが、もしもこれが観光だったらきっとこうはならなかっただろうなとも思う。何をしていても、どこにいても、前向きになれるよう背中を押し続けてくれたのがあの太陽だったおかげで、俺は何にも負ける気がしなかった。

(↓スタジオのトイレの床。ここに座るときは大抵その日に作ってる曲のことで頭がいっぱいになってるんだけど、なんとなくこの模様が「笑」の文字に見えて気持ちが軽くなったことも多い。)
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今は書き終えた曲たちを聴きながらこのブログを書いているのだが、ひたすら自分と向き合ったあの時間がギュウギュウに詰まっていて、何度聴いても涙が出そうになる。こんな冒険に出させてくれた全てに感謝が湧き上がる。

ここから先は本当に久しぶりにELLEGARDENの4人でひーこらと曲をいじっていくわけだけど、そこにはもうワクワクしかない。俺たちが休止するときに、次にまた集まるときまでにそれぞれ力をつけておこうっていう約束があった。本気でそれを信じていられたメンバーが俺を含めて果たしていたのかは今となっては分からないが、ただ、その約束を本物にするためにそれぞれが頑張ってきたことだけは間違いない。

(↓成田空港での一枚。ただいま。接触できないので5分ぐらいしか一緒にいられなかったけど。)
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成田空港に降り立つと、高橋、ウブ、雄一の3人がサプライズで迎えに来てくれていた。俺もこの3ヶ月ずっと、お前らと一緒にいたんだよ。これでようやく、ELLEGARDENボーカル細美武士ですって久しぶりに胸を張って言えるなあ。

バイバイロサンゼルス。またすぐ会いにいくよ。

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POSTED Friday, April 29, 2022 08:43

What you do today creates tomorrow.

そういえばスタジオに買い置きしてあるビール、昨日のが最後の一本だったよな。

そう思いたって、普段は前を通るだけのLiquor Shopに立ち寄る。Firestone Walkerの805、Negra Modelo、Coronaなんかが今のこっちの気候にはとても合うビールな気がしていて良く買っているのだが、今日はちょっと違うのを買っていこうかな、なんて思いつつ棚を眺めていると、ちょっとだけ懐かしく感じるAsahi Super Dryを発見した。「す・・スーパードライあるやん(そんなに珍しくもないが、どこにでも置いてあるわけではない)。。今日はこれにしてみよう」と6パックを手に取りレジへ向かうと、初老の男性オーナーらしき御仁。必ずそう、というわけでもないが、アメリカのキャッシャーでは割と雑談になることがある。IDの提示でパスポートを渡すと、会計の終わりに御仁がとても遠くを見るような目つきで話しかけてきた。

↓こないだ行ったベニスビーチ。マリブとは全然雰囲気が違うけど、どっちも楽しい。:-)
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「このパスポート、すごい好きなんだよ」
「へ?なんで?」
「もう30年も前になるかなあ。2年間日本にいたことがあるんだ」
「仕事で行ってたの?」
「いや、学校に行ったんだ。東京の」
「留学かあ〜。なんて学校行ってたんですか?」

すると彼は必死に思い出そうとしてくれたのだが、いかんせん30年も前のことだ、こめかみのあたりを手のひらでトントンと叩きながら、「もう頭が回らなくてね笑 新宿とかよく思い出すよ」と少し寂しそうに言った。その仕草が俺はとても好きだった。ついと4人組のお客さんがドタドタと店に入ってきたのでそろそろかな、って感じで会話が終わりかけると、御仁が一言。

「ありがとう。お前のおかげでずいぶんと久しぶりに日本に行けたよ。」

素敵だなあ、と思いながら「うん。ちょくちょく寄るようにするよ。」と返し、スタジオへ向かった。

こういうとてもとても素敵な瞬間に溢れた3ヶ月が終わろうとしている。闘い抜いた自覚はある。後悔はない。そしてあと数回、全力で作曲に取り組む時間がまだ残されている。この街で出会った全ての物事への感謝を胸に、ロサンゼルスでの自分を思いっきり開放するつもりだ。

(↓ロスでのスタジオ作業風景。足元の照明はNano Leaf。設定に丸1日かかりました笑)
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