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POSTED Thursday, November 18, 2010 19:25

大阪でライブやってきたよ!

ほいー!

Superfly & the Lemon Batsのツアーゲストに呼ばれて大阪いってきました!一ヶ月ぶりのライブだったから、そりゃもう楽しくて、やべーあがっちゃってちょっとおいなんじゃこりゃああああ!なんてやってるうちに終わってしまいました。やっぱライブ楽しぇええええええええええ!!!

明日もデビロック!

今からエジプト旅行記⑤をアップして、ごはん食べて、とっとと寝ます!

おやすみなさい!


POSTED Thursday, November 11, 2010 18:56

エジプト旅行記④ 10月27日 前編

タハリールスクエアの真正面にあったユースホステルをチェックアウトすると、ほんの2泊しただけなのにずいぶんと愛着が湧いていたことに気づく。そりゃあそうか。カイロで初めてほっとした場所だもんな。鈴木君、リー、エディと、新しくやってきたアメリカ人学生には前夜のうちに別れを告げ、早朝のアラームで起こしてしまうかもしれない事を前もって謝っておいた。2日ぶりにバックパックを背負い早朝の街へ出ると、カイロの街にも少し慣れた自分と、新しい旅の予感に思わず駆け出したくなる(そして実際声を出して笑いながら駆け出しました)。

前日の打ち合わせどおり午前6時半にウィリーの働く宿のレセプションに姿を現すと、ソニーが床で毛布にくるまって寝ている。まるで日本人みてーな働きぶりだな。なんか起こすのわりいなあと思いつつも、バスに乗り遅れるのは嫌だったのでドアをコンコンとノックした。

「ソニー。6時半だよ。」
「ん?タケシか。んあー、眠い。」

砂漠用に別けておいた荷物以外はソニーの宿に預けて、エジプトの携帯電話を借り、バスターミナルへ向かう。こういう時のために持って来ておいた小さめの肩掛けバッグが早速役に立った。:-)

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ソニーのゲストハウスは本当に綺麗で信頼できるが、そのビルのエレベーターはかなり昔にぶっ壊れたっぽく、1階と2階の間で朽ち果てていた。この状態になった時に乗ってた人はきっと肝を冷やしたはずだ。


バスに乗り込むと、それは完全なるローカル線長距離バスだった。エアコンはもちろん効かない。車両後方の蛍光灯が切れているため薄暗く、満席で、隣には英語もさっぱりの大柄なエジプト人が座っている。見回すと社内に外国人は俺一人。窓側だったのが救いだな、なんて思うのも束の間、走り出したバスが郊外へ抜け、今はもう使われていなそうな線路と平行に伸びた舗装路を西へ西へと向かう頃には、照りつける太陽から身を守るべく、自分側の窓には例外無くカーテンが引かれていた。

通常の窓の上部に取り付けられた換気用の窓は全て開けられ、そこから吹き込む風は車内の温度を下げるのにそれなりの効果をあげてはいたが、同時に砂漠の砂を大量に巻き込んで若干息苦しい。ああ、ほんとに砂漠の旅をしているんだな。俺は、これがしたかったんだ。そう思ってカーテンの隙間から覗く、延々と続く砂と岩の景色に、飽きる事なく食い入った。

3時間ほどした頃、砂漠の真ん中に突然現れた何かの建物らしき所で唐突にバスが停車したのだが、車内アナウンスがあるはずもなく、降りて行く人にここが休憩所なのか聞こうにも言葉が通じない(旅行者相手か、海外と取引のある人、もしくは大学生でもないと英語はなかなか通じない)。何分ぐらい停まるのかも分からないし、置いて行かれたらそれこそどうなるか分かったもんじゃない。トイレもまだまだ平気だったから車内で待とうかなと思った瞬間、自分の心の声がはっきりと聞こえた。

「なんでそんな言い訳してんの?本当は降りてどんなところか見てみたいのに。」

昨夜のウィリーとの言葉が蘇る。
ウィリー「脳の言う事はときどきすごく的外れで、それだけが自分自身だと思うとけっこう落ち込むぜ。例えばあのウェイター。あいつの頭の中にはきっとあのテーブルのでかパイアメリカ人とベッドインしてるイメージが浮かんだりするはずだ(笑)。でも、だからって実際そうするわけじゃない。そうだろう?」

ここでふと、掴めたことがある。頭と心は本来しっかりと対話をするべきだ。頭が推奨することでも、実は心が悲鳴をあげるようなことってあるんじゃないだろうか。逆に心が元気になることを、頭が禁止したりはしていないだろうか。そして自分の心は、本当に思っているほど臆病なんだろうか。

パスポートと現金だけをポケットに入れると、他の人より少し遅れてバスを降りた。するとそこは思った通り休憩所で、テラス席のようなところで紅茶を飲む人もいれば、屋内には小さな売店とトイレもある。そう言えば朝から何も食べてなかったな。チョコウェハースと新しいペットボトルの水を買って、サクサクと食べながら外へ出てあたりを見回すと、やあ、はじめまして、砂漠の旦那。


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サービスエリアから見た砂漠。照りつける太陽はこの季節、午後2時半頃、ピークを迎える。

しばらくボケーっとしていると、乗って来たバスがけたたましくホーンを鳴らし始めた。アラビア語は分からなくても、その意味はすぐに分かった。「戻ってこい」、だ。バスに戻る途中、今着いたばかりの大型観光バス(エアコン完備。座席の広さは倍近くあるだろう。)から降りて来た日本人観光客の女の人とすれ違う。すでに砂まみれの俺とは違い、まんま清潔さをキープしている。日焼けが怖いのか頭から体から変な布を巻き付けて、「ああ!もう砂だらけよ!」と砂漠を罵っていたのだが、砂漠の砂を飛ばなくするのは、いくらエジプト観光局とはいえ逆立ちしたって無理だろう。

そこからさらに2時間ほどバスに揺られて到着したバハリアオアシスは、本当に砂漠のど真ん中に突然緑が生い茂った一帯が出現した感じで、おわー、なんじゃこりゃあ!とテンションはマックスに。ちなみに乗客の一人が「バハリア!バハリア!」と声をかけてくれなければ、間違いなく降り遅れて更に遠方のオアシスまで行ってしまったことだろう。

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バハリアのバス停からホテルまで走ったタクシーっつーかなんつーかな車。

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バハリアオアシスの景観。わはははっ!と声が出るんだほんとに。

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昼食!うんまい!アエーシ(丸形パン)が皿に載ってるなんてのは上品な証拠。街の食堂ではテーブルの上にボン!と出されることも多い。

その後はなんだかいろんな行き違いもありながら、砂漠ツアーを主催しているオアシスのホテルへどうやら辿り着き、他にツアーに同行するという数人を待ちながら昼食。昨日砂漠で泊まって来た、というオランダ人のヨハンとしばらく情報を交換して(てか一方的に仕入れて)、まだ1時間ほどあるというのでふらりと外に出ると、エジプト人のじっちゃんが声をかけてきた。

じっちゃん「旅のひと。おぬしどこから来なすった?」
道中、少なくともなんらかのアラビア語は喋れた方がいいと思い立ち、歩き方の付録を2時間かけて暗記しておいたので、試しに
「アッサラームアレイコム。アナヤベーネ。フルササイーダ。」
(こんにちは。私は日本人です。お会い出来て光栄です。*と言ったつもり。合ってる?)
と言ってみた。すると、エジプト人はアラビア語で挨拶をするだけで、とても喜んでくれることがよく分かった。それまで話して来た人たちとあきらかに反応が違う。いっつぁにゅーみれにあむ!だ。
じっちゃん「アレイコムサラーミ!」
(こんにちは!)
と大きな声でにこやかに返してくれて、ハイファイブにも似た、アッパーな握手をしてくれるのだった。これはこの後の旅を通じても、最も有用な発見の一つになった。
「つっても、これだけしか喋れないんだけどね(笑)。」
じっちゃん「わっはっは。まあいい。わしはここのオーナー、アフメッドじゃ。おぬしまだ小一時間ほどあろう?このホテルを出て左へ曲がり、ホテルの裏手へ出るのじゃ。そこから200メートルほど行くと、温泉が出ている。この一時間をもっとも快適にすごすならそこじゃ。閉まる前に急げ。もしチケットを買えと言われたら、ミスター・アフメッドに言われて来たと言えばいい。」
「まじっすか!ショクラン!」
と言うが早いか駆け出していた。じっちゃん知ってるか?俺たち日本人は世界で一番温泉好きな民族だ!そして俺は青刺入れて以来、ロクに温泉入れてねえんだぜ!いったらああああああああ!!

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ちょっとだけ迷ったけど見つけました。温泉ってイメージじゃないけど、水温39度ぐらいかなあ?

そこにあったのは、温泉というか、農業用に汲み上げた地下水の水量を調節するほんとにちいさな石でできた貯水槽。誰のものだかさっぱりわからないが、近くで農作業をしている兄さんに入ってもいいか?と聞くと、無言だが笑顔で、ああ、入れ入れといった仕草を返してくれた。チケット代をせびられることもなく、海パンがない旨を告げるとショーツでいいと言うので、出た後のことは考えずに飛び込んだ。

天国!!!!!!!

ここは天国だ!!!!!!

壁と底にびっしりと苔だかなんだかが生えててヌルヌル、ぐにゃぅとするのを差し引いても、ここは間違いなく天国だ!!!!!(続く)


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うっひょおおおおおお!!
きたきたきたああああああああ!!!


POSTED Wednesday, November 10, 2010 15:19

エジプト旅行記③ 10月26日 後編

13時にピザハットの前でジャンレノにピックアップされた後は、ジェゼル王の階段ピラミッドをサッカーラに訪ねて、一路古王国時代の王都メンフィスへ。現在のミト・ラヒーナ村にある、メンフィス博物館のラムセス2世の巨像を見るためだ。

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階段ピラミッドは最古のピラミッド。マスタバ墓を積み上げるように増築され、この形になった。

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ミト・ラヒーナ村の様子。ジャンはここをメンフィスと呼んでいた。

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ラムセス2世の巨像。なんか前ラジオに誕生日が一緒とかいうメールが来てなかったっけ?会いたかったぜラムセス。

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博物館のバルコニーから見た植物。爆発する生命力に心奪われる。

博物館を出てジャンレノの待つタクシーへと戻ると、あれ?乗ってないな。てか窓も開けっ放し、鍵もつけっぱなしかよ。きょろきょろと辺りを見回すと、民家の軒先、背の高い木がまばらに生えているその木陰に、木製のカフェテーブルのようなものを囲むようにして、5人ほどのエジプト人がおのおのシーシャを吸ったり紅茶を飲んだりしている。ムスリムらしい服装をした初老の紳士や、洋服に眼鏡をかけた若者に混じって、ジャンも悠々とくつろいでいるではないか。ああ、そういえばメンフィスに住んでるって言ってたもんな。ここは友達の家かなんかなのかな。すたすたとそのテーブルに向かい、空いている椅子に腰かけると、初老の紳士がシーシャを吹かしながら、紅茶をすすめてくれた。

おじいさん「紅茶にはウィスキーを入れるかい?」
「あれ?ウィスキーなんてあるの?」
エジプトではアルコールを半ば諦めないとダメだなと思ってたから、なんか唐突に嬉しい。

おじいさん「入れるのか。入れないのか。」
「ああ、できれば入れてください。多めに。」
ジャン「あんまりゆっくりしてられないぞ。この後もう一カ所回るんだ。」
「うん、でも赤のピラミッドはもういいんだ。ここでしばらくのんびりして、今日はこれで帰ろうよ。」
おじいさん「そうじゃそうじゃ。そうするがいい。リラックスは大事じゃぞ。」
ジャン「そうするか?まあ、お前の旅だからな。わかったよ。」

そうしてしばらく、テーブルに落ちる広葉樹の影や、濃い緑の葉の間にきらめく陽光を眺めていると、旅の疲れが消えて行くのを感じる。ふと訪れるこういう瞬間がたまんねえんだよなあ、なんつって、暖かい紅茶がそれはそれは美味しく感じるのだった。その後は無遠慮にもおかわりなんぞをもらいながら、シーシャも回って来て、ゆったりとくつろぐことができた。英語が堪能なエジプシャン達との会話はけっこう盛り上がって、その中で交わされた会話にとても心に残っている場面がある。

眼鏡君「お前いいやつだな。」
「そんなことないよ。努力はしたいけど。」
おじいさん「いや、そんな努力をしてはいかん。いいか、お前はただお前でいればいい。そもそもお前には、何かを誰かに証明する義務などないのだ。」
「?」
おじいさん「他の誰かに何かを証明しようとする。そこからお前はお前ではなくなり、物事がおかしくなりはじめるのだ。」
おおっ!!確かにその通りだ。旅ってすげえなあ。この一言、この先も忘れないでいたいなあ。なんて感動してて、おじいさんの口からついにその一言が出てくるまで、しっかりと型にはめられてることには全く気付かなかった。

おじいさん「さて、ところでな、旅の人。うちはパピルス工場をやっとるんだがな。どうじゃ。ちょっと見学していかんか?」

(あれ?ここ土産物屋っすか?)

そうなのだ。ジャンとこのパピルス屋とはバーター仲間で、博物館の帰りの旅行者を、頼んでもいないのに連れて来る事になっていたのだ。ツアー客なんかもバスでいきなり土産物屋に連れて行かれたりするあれだ。わー!気付けよー俺!こんなのぜったいワケありに決まってるじゃないか!先に言えよジャン!って、言う訳ねえもんなあああ。しかし上手いなこりゃ!

なんて頭では思いつつも、心はこの素晴らしい時間にとても満足していたので、最初から、パピルスを一つ買うつもりで建物に入った。最後いきなり仕事モードに持ってかれて面食らったが、それまでの会話の全てが作戦という訳でもなかろう。どうせ一葉になにかエジプトの匂いを買って帰りたかったからちょうどいいや。頼んでもいないパピルスの作り方を一通り実演された後で、荷物にならない大きさで、一番目を引いたものを手に取った。レジ係の眼鏡君にお金を払って、さかんにもっと大きいのをすすめるじっちゃんを尻目に、さあカイロへ戻るぞ、ジャン。


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ルネッサンス記の先人たちが確立した透視図法を粉砕するような前衛性に、やつも溜飲を下げることだろう。

ちなみにカイロの街へ戻る途中、ジャンとの会話は全て婚前交渉についてに終止した。




そしてカイロの街へ。その後はナイル側に沈む夕陽をぼけーっと眺めて、あ、そうだ、明日は砂漠へ行こう。カイロはもういいや。きっと夜は寒いだろうからな。なんか長袖をもう一枚買っとこう。なんて思って街をうろついているうちに完全な迷子になりました(泣)。うーん。どこだここは。

半泣きで地図を見ながら何度も同じ道を行ったり来たりして、スーツ姿のおやっさんに道を教えてもらってようやく地下鉄の駅を発見したときには、もう足のマメがつぶれそうになっていた。いや、初日で潰れたら困るぞ。ここからは地下鉄に乗って帰ろう。タハリール広場のあるサッダート駅までは1ポンド。地元民でごった返すメトロに揺られながら、1日でこんなに歩いたのはいつぶりだろう、とひとりニヤニヤする。


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ナイル川対岸に沈み行く夕陽。

宿でシャワーを浴びると、約束どおりその気になったのでソニーの経営するユースホステルへ出向き、結局白砂漠一泊キャンプツアーの他に、アブシンベル神殿行きの航空券とバスチケット、さらにそこからルクソール行きの電車のチケットを確保してもらうことになった。ソニーの仕事は早い上に正確だ。そのうえユーモアのセンスもある。この男が唯一持っていないものは、柏倉隆史のような渋いヒゲぐらいだなと思いながら、お礼にカイロの最後の夜をこのホステルで予約して、ウィリーとご飯を食べに行った。

ウィリーとの食事中に、長いこと考えてた疑問に対して、あっさりと答えが出てしまった。ニーチェやフロイトやユングを読んでもダメだったのに。この時はもう、旅の目的を全部果たしちゃったような気分だった。いつからか気になっていたピラミッドは観れたし、この旅中で見つかるといいなと思っていた答えもわかったし。あとはオマケみたいなもんだな。思いっきり楽しんでこよう!

ようやくビールを辞めることが出来たんだ、と話すウィリーの前で2本目のビールを頼む気にはなれずに、明日も朝早いからと1時すぎには宿に戻ったのだが、この時はまだ何もわかっていなかった。翌日の夕暮れに辿り着くことになる、白砂漠から本当の旅は始まるのだった。(続く)


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宿の階段の主。すんません、通してもらっていいすか。